こんにちは、ヤッシーです。
今日は、一条工務店と全然関係なく、皆さんご存知のレーシックとICL(フェイキックIOL)について、呟きます。
どちらも、近視を矯正する手術で、現在主流の手術です。
もちろん、安全性が確立された手術手技です。
眼科サージャンによる主観的な意見ですので、ご参考までに。
目次
レーシック
フェムトセカンドレーザーなど使用する機器は進歩していますが、つまるところ、角膜を削ります。
角膜の厚みは500-550μmと個人差はあり、削れる厚さが決まっていますので、近視が軽い人に適応があります。
メリット
・最大で約20年間、裸眼視力がとても良くなります。
・価格はICLと比べて、比較的安いです。
デメリット
・角膜を削るので、過矯正の時に、なかなか元に戻すのは困難です。
・角膜が薄くなると、眼圧の測定値が低く出てしまうので、緑内障が見逃されたり、緑内障治療が弱くなるリスクがあります。
・近視が戻ることがあります。眼軸長(目の長さ)が延長したり、角膜の傷の瘢痕によるものなど原因は複数あるようです。
・角膜の知覚神経が切れるため、乾いたことを認知できずに、術後ドライアイが出ることが多いです。
・白内障手術をするときに、眼内レンズ度数の計算がずれやすくなります。
ただでさえ、強度近視の眼では、眼内レンズの度数がずれることがありますが、レーシックで角膜が削られていると60%程度しか、術後の見え方を合わせることができません。
白内障術後は眼鏡が必要になる可能性が高いというわけです。
白内障が出てくると、色々と苦労する可能性があります。将来的には、100%合わせられる機械が出てくるかもしれませんが、今のところは、残念ながらありません。
・将来、硝子体手術を受ける時
角膜が削られていることにより、網膜剥離などに対する硝子体手術時に、収差により眼底が見えにくくなり、合併症リスクが増える可能性があります。
ICL
ICLは、正式には、Implantable Collamer Lensの略で、眼内コンタクトレンズの略ではありません。phakic IOLとも言われます。
日本では、虹彩と水晶体の間に、眼内レンズを固定する近視矯正手術です。
海外では下図のように、色々なICLがありますが日本では赤枠に囲んだようなレンズだけです。
メリット
・6~8D以上の強い近視でも、矯正可能です。
・取り出すことが可能です。
熟練のサージャンであれば、簡単な手術です。取り出すには、ある程度の経験が必要です。
デメリット
・白内障が進行しやすいことがあります。
・角膜内皮細胞が減ります。角膜内皮は再生しません。
角膜内皮が減ると角膜が浮腫(水疱性角膜症)を発症するため、生涯に受けられる内眼手術には制限があります。
近年では、角膜内皮移植術により回復できるようになりましたが、術者は日本でも非常に少ないです。
生涯にICLと白内障手術だけを受けるのであれば、問題ないレベルの内皮減少率と思いますが、強度近視では、緑内障や網膜剥離の発症率が高いため、安心できないのが現状だと思います。
近視矯正手術の限界
術後に近視が戻ることがあります。
成人以降も近視が進むのは、眼軸が長くなるからと、言われています。眼軸を止める治療方法は確立されていません。
また、水晶体の老化は20代から進行しており、水晶体核の硬化は、近視戻りの原因となります。
ICLでは、近視が進行しにくいという報告もありますが、レーシックでは、よく近視が戻ることを見聞きします。
また、30代後半から老眼が出てきますので、裸眼視力を1.2保てなくなることも多いです。
近視矯正手術の効果が持続するのは、20歳から30代後半までと言っていいでしょう。
その間、眼鏡やコンタクトは不要ですが、必ず定期的な眼科検診は必要です。
白内障が出てくれば、ICLは抜去してIOLを入れる作業による角膜内皮減少リスク、レーシックでは、IOLの術後屈折誤差について、承諾して手術を受ける必要が出てくるでしょう。
費用対効果と、長期的な手術合併症を許容できるのであれば、近視矯正手術はQOL向上に役立つと思われます。
ICLについての参考文献を載せておきます。フリーアクセスできます。
子供の近視抑制治療に期待
アジアを筆頭に、世界的に近視の子供が増加しています。
勉強やスマホ、ゲームなどの近見作業の増加が、近視になりやすいと言われています。
外で1時間は光を浴びて遊ぶことが、推奨されています。
子供の近視抑制治療は、低濃度アトロピン点眼(商品名:マイオピン)や、オルソケラトロジー、多焦点眼鏡などがあります。
中でも、低濃度アトロピン点眼は、夜一回の点眼を続けると、眼軸長抑制による近視抑制効果が証明されつつあります。
ただ、途中でやめると、進行するので、ずっと点眼が必要です。
現在は自費なのが、痛いところです。
ちなみに、私は、眼鏡派です。
コンタクトレンズは、長期的に角膜内皮細胞が減りますし、オペ中に目を開き続けると乾いて曇ってダメなのです。
近視矯正手術にご興味ある方の、ご参考になれば幸いです。
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